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Rosso / ロッソ 2017

Rosso / ロッソ 2017

《熟成香がアクセント、複雑味豊かな味わい》
¥5,390 税込
商品コード: RD1289
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容量
750ml
度数
14
イタリア
産地
カンパーニャ
カテゴリー
生産者
モンテ・ディ・グラツィア
品種
ティントーレ (90%)、ピエディロッソ (10%)
味わい
外観は紫がかった濃い赤。やや黒系果実の香りや硬質なミネラル、恐らく熟成からくる鉄の粉のような独特な味わい。酸味と渋味はバランスが美しく食中でも単体でも満足度高い味わい。抜栓後は様子を見ながら数日間お楽しみいただけそうです。(2025/09村瀬)
醸造
樹齢30~120年。
標高300~600mにある高樹齢の畑。
収穫したブドウは果皮と共に2~3週間の醗酵。
圧搾し一部を地元の栗の木樽にて36カ月の熟成、ボトル詰め後24カ月の熟成。
彼らにとって最も大切なブドウであるティントーレ。
このトラモンティがオリジナルであり、果皮は薄くデリケートで、果肉に強い色素を持つという個性的なブドウ。
成熟が遅く収穫は平均しても10月下旬、11月以降になることも多いという晩熟の黒ブドウ。
父のアルフォンソも、このブドウに強い可能性を感じていました。
しかしこのティントーレ、驚くほどに酸度が高く糖度が上がりづらいブドウ。
標高が高いトラモンティでは、昼夜の気温差もあるため、より酸が強く残る。
さらに糖度が上がらないため、酸だけ飛びぬけた非常にアンバランスなワインになってしまう、難しいブドウでした。
父の意志を受け継ぎつつも、独自の解釈とマイナーチェンジを続けてきたフォルトゥナート。
近年の気温上昇によって、「以前は11月に入っても完熟させることは難しかった。でも近年は10月中旬には種子まで成熟できることも多くなった」、といいます。

そして今回リリースする2017年は、まさに猛暑と水不足のヴィンテージ。
今までにない気温の高さと、全く雨が降らない状況が続きました。
それでも樹齢100年を余裕で越えるようなブドウ樹では、全く問題が起こらず(驚)。
むしろ高い気温によって、例年では考えられないほど糖度が上がりました。
10月下旬まで収穫を待って、ようやく成熟した理想的なティントーレ。
例年11%程度しかないアルコールが、この2017 に限ってはなんと14%という高さまで上がりました!
そしてもちろん、糖度が高いだけではなく、タンニン、フェノール熟成も見られる素晴らしいヴィンテージとなりました。

前回ご紹介した2014と比較すると、正反対となる猛暑のヴィンテージ。
その圧倒的な違いに驚いていただけると思います!
マイナーな地域、マイナーなブドウ品種、、そうした言葉では伝えきれない唯一の個性を表現した赤ワイン。
ぜひ一度飲んでいただきたいワインです。



【生産者情報】
世界遺産にも登録された「世界一美しい海岸」と呼ばれる、アマルフィより北に7km、険しい山道の先にあるトラモンティの町。
アマルフィ海岸より直線距離で僅か5kmでありながら、町の中心部の標高でさえ400mを越えます。
ブドウ畑は500m~700mと非常に標高の高いところにあります。
当主であるアルフォンソ・アルピーノは、ホームドクターとして人々の健康を管理しながら、土地に残る伝統的なブドウ栽培とワイン造りを守るため、ワイナリーを営んできた人物。
そんな父の姿を見て育った息子であるフォルトゥナ―ト。
幼いころより父の後についてブドウ栽培を手伝ってきたこともあり、トスカーナ州ピサの大学で農業を専攻し、2015年よりアルフォンソより引き継ぎ、ワイン造りを行っています。

厳しい急こう配と、火山性の砕石を含んだ貧しい土壌。決して豊かとはいえないこの土地で暮らす人々が、暮らしの中で生み出してきた農業、そして生きるためのワイン造り。
先祖から引き継いだ畑(Monte di Grazia)を中心に現在4haのブドウ畑。
地表から1.5~1.7mほどの高さで放射線状に広がる棚仕立て、Raggieraラッジェッラ仕立てと呼ばれる棚仕立ては、樹の中心や合間から日光が地表に当たるため、果実自体の生育が良いのはもちろん、地表でも他の野菜の栽培ができる伝統的な手法です。
一般的に棚仕立てというと、新梢も多く結実も多い、、結果、収穫量が非常に多い印象がありますが、樹齢50年以上、中には100年を越える樹も少なくない彼らの畑では、棚仕立てとは思えないほどの収穫量の少なさ。
畑によって多少違いはありますが1haあたり3t~と聞けば、その少なさには驚いていただけると思います。
「根より離れた位置で結実するこの仕立て、常識的に考えてもグイヨーのような低い仕立てに比べ、土地のエネルギーが果実に届きにくい。
さらに土地に溜まった日照、熱が果実に伝わらずブドウの熟度が上がりにくいって言われてきた。
でもこの10年~15年で平均気温も上がり、むしろ長い時間をかけて果実が熟成させることが出来るようになった。」
そう話すフォルトゥナート。例年猛暑が続いていても、収穫は10月下旬~11月まで続くことも少なくないといいます、、。

個性的な土壌、伝統に倣った仕立てだけでなく、このトラモンティの独自性には、オリジナルのブドウ品種についても知っていただく必要があります。
黒ブドウであるティントーレ、ギリシャ時代より残ると言われているブドウでソレント半島、このトラモンティ近郊に飲み残っていると言われるブドウ。
他にも白ブドウであるペペッラなど、3方を海で囲まれ、残り1方もヴェスヴィオ火山由来の強い火山性土壌(軽石、砕石、砂を強く含む)によって、フィロキセラの被害を免れた特殊な土壌環境を持っています。
実際に、モンテディグラツィアの持つ高樹齢の畑においては、そのほとんどがピエディフランコ(自根)の状態で残っています。
結実が悪く収穫量が基本的に少ない、そして成熟の遅いティントーレやペペッラ。
他にはない独自の個性を持ったブドウと、樹齢100年を越える古いブドウ畑を守ってきた父、アルフォンソの意志を受け継ぎ、その個性的なブドウ品種の特徴を表現するための醸造を考え始めたフォルトゥナート。

2010年頃より、醸造において培養酵母の添加や、醗酵中の温度コントロールを段階的に行わなくなったアルフォンソ。
しかし、専門的な知識や経験値の無さから、どこか確証がなかったと漏らすアルフォンソ。
しかし農学を学んできたフォルトゥナ―トが加わったことで、畑での作業の質、土壌環境の改善だけでなく、醸造においても明確な意思を持つようになった直感しました。
フォルトゥナート曰く
「ティントーレは非常にマイナーで個性的でありながら、まだその本質を伝えるようなワイン造りが行えていなかった。
晩熟であるこの果実が、その本来の姿を見せるためには、圧倒的に【時間】が足りなかった。」
父であるアルフォンソを心から尊敬し、父が守ってきたものをより磨き上げ、形を大幅に変えるのではなく昇華させるかのようなフォルトゥナ―トのワインへのフィロソフィ。
ティントーレの可能性と性質を読み解き、ワイン造りには時間が必要と結論付けた彼。
今まで以上に時間を費やしたワイン造り。そして、新しい世代ならではの価値観やアイデアによって生まれた新しいキュヴェ。
改めてもう一度、この小さなワイナリー「モンテ ディ グラツィア」について知っていただきたい。
土地やブドウの個性は言葉で語るものではない、その味わいにこそ、感じるべきもの。その核心がある魅力あふれるワイン、そして造り手です。

(インポーター様資料より)


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