自然派ワイン・ナチュラルワイン・ビオワインの専門店 - SWAILIFE WINE SHOP(スワイライフワインショップ)

Category

Bianco / ビアンコ 2022

Bianco / ビアンコ 2022

《控えめな果実感と硬質ミネラルが調和し、抜栓後の変化も楽しめる味わい》
¥4,620 税込
商品コード: WH1445
数量
店舗在庫と連動している為、ご注文後商品が欠品・完売となる場合がございますので予めご了承ください。
カートに追加しました。
お買い物を続ける カートへ進む
容量
750ml
度数
11.5
イタリア
産地
カンパーニャ
カテゴリー
生産者
モンテ・ディ・グラツィア
品種
ビアンカ・テネーラ (40%)、ジネストラ (40%)、ペペッラ (20%)
味わい
外観は黄色。和柑橘、硬質なミネラル、全体的や味わいに派手さは無く控えめだが、隙間のない緻密さとエネルギッシュさを感じた。抜栓後、表情が和らいでいくような気配。また、素朴な食材との相性が良いと思った。(例えばサラミ、サルシッチャ、カンパーニュ、野菜とハーブのグリル、キノコとオリーブオイルのソテーなど。和食はパッと思い浮かんだのは、明石焼きのようなお出汁と生地の甘味を楽しむお料理。)抜栓後は様子を見ながら数日お楽しみいただけそうです。(2025/9 村瀬)
醸造
樹齢15~60年。
ブドウ品種ごとに収穫を行う。
トラモンティの地品種にて造られる白、中でもアマルフィ&トラモンティに起源を持つペペッラ。
結実がまばらで完熟しても半数の粒は大きくならず、胡椒粒のように小さく、酸が高い粒が残るという個性をもつ。
果皮も厚く味わいにも特徴があるこのブドウのみ、果皮と共に約1日の醗酵を行います。
それから果皮が薄くデリケートなビアンカ テネーラ、果皮が固く遅熟で酸の強いジネストラは直接プレス。
3つのブドウを合わせて醗酵&熟成。
ステンレスタンクで12カ月、ボトル詰め後6カ月の熟成。
古くから3つのブドウを合わせて造られてきた土地の味わい。
2022年は猛暑のヴィンテージ。
5月の時点で30度を越えるような気温と日照にあったものの、8月以降は雨が続き、最終的には収穫は遅く10月中旬を過ぎてから。
それでも糖度は上がらず、アルコールは11%程度と低く仕上がりました。
この10年で「温暖化」と呼ばれるように、平均気温も高くなっているイタリア。
しかし以前は「完熟させることが難しい」、このトラモンティという土地では、気温が上昇したことで「バランスよくブドウが成熟できるようになった」、と考えているフォルトゥナート。

モンテ・ディ・グラツィアらしい「酸」を基調としたエッジの効いた味わい。
そしてフォルトゥナートの考え通り、2年以上の熟成期間を取ることで、鋭い酸の奥にある果実香と土地の個性、ブドウ由来のスパイスやスモークの香りを持つ特徴を見せるビアンコ。
非常に爽やか、華奢な印象ながらも骨組みを感じる白ワインです。



【生産者情報】
世界遺産にも登録された「世界一美しい海岸」と呼ばれる、アマルフィより北に7km、険しい山道の先にあるトラモンティの町。
アマルフィ海岸より直線距離で僅か5kmでありながら、町の中心部の標高でさえ400mを越えます。
ブドウ畑は500m~700mと非常に標高の高いところにあります。
当主であるアルフォンソ・アルピーノは、ホームドクターとして人々の健康を管理しながら、土地に残る伝統的なブドウ栽培とワイン造りを守るため、ワイナリーを営んできた人物。
そんな父の姿を見て育った息子であるフォルトゥナ―ト。
幼いころより父の後についてブドウ栽培を手伝ってきたこともあり、トスカーナ州ピサの大学で農業を専攻し、2015年よりアルフォンソより引き継ぎ、ワイン造りを行っています。

厳しい急こう配と、火山性の砕石を含んだ貧しい土壌。決して豊かとはいえないこの土地で暮らす人々が、暮らしの中で生み出してきた農業、そして生きるためのワイン造り。
先祖から引き継いだ畑(Monte di Grazia)を中心に現在4haのブドウ畑。
地表から1.5~1.7mほどの高さで放射線状に広がる棚仕立て、Raggieraラッジェッラ仕立てと呼ばれる棚仕立ては、樹の中心や合間から日光が地表に当たるため、果実自体の生育が良いのはもちろん、地表でも他の野菜の栽培ができる伝統的な手法です。
一般的に棚仕立てというと、新梢も多く結実も多い、、結果、収穫量が非常に多い印象がありますが、樹齢50年以上、中には100年を越える樹も少なくない彼らの畑では、棚仕立てとは思えないほどの収穫量の少なさ。
畑によって多少違いはありますが1haあたり3t~と聞けば、その少なさには驚いていただけると思います。
「根より離れた位置で結実するこの仕立て、常識的に考えてもグイヨーのような低い仕立てに比べ、土地のエネルギーが果実に届きにくい。
さらに土地に溜まった日照、熱が果実に伝わらずブドウの熟度が上がりにくいって言われてきた。
でもこの10年~15年で平均気温も上がり、むしろ長い時間をかけて果実が熟成させることが出来るようになった。」
そう話すフォルトゥナート。例年猛暑が続いていても、収穫は10月下旬~11月まで続くことも少なくないといいます、、。

個性的な土壌、伝統に倣った仕立てだけでなく、このトラモンティの独自性には、オリジナルのブドウ品種についても知っていただく必要があります。
黒ブドウであるティントーレ、ギリシャ時代より残ると言われているブドウでソレント半島、このトラモンティ近郊に飲み残っていると言われるブドウ。
他にも白ブドウであるペペッラなど、3方を海で囲まれ、残り1方もヴェスヴィオ火山由来の強い火山性土壌(軽石、砕石、砂を強く含む)によって、フィロキセラの被害を免れた特殊な土壌環境を持っています。
実際に、モンテディグラツィアの持つ高樹齢の畑においては、そのほとんどがピエディフランコ(自根)の状態で残っています。
結実が悪く収穫量が基本的に少ない、そして成熟の遅いティントーレやペペッラ。
他にはない独自の個性を持ったブドウと、樹齢100年を越える古いブドウ畑を守ってきた父、アルフォンソの意志を受け継ぎ、その個性的なブドウ品種の特徴を表現するための醸造を考え始めたフォルトゥナート。

2010年頃より、醸造において培養酵母の添加や、醗酵中の温度コントロールを段階的に行わなくなったアルフォンソ。
しかし、専門的な知識や経験値の無さから、どこか確証がなかったと漏らすアルフォンソ。
しかし農学を学んできたフォルトゥナ―トが加わったことで、畑での作業の質、土壌環境の改善だけでなく、醸造においても明確な意思を持つようになった直感しました。
フォルトゥナート曰く
「ティントーレは非常にマイナーで個性的でありながら、まだその本質を伝えるようなワイン造りが行えていなかった。
晩熟であるこの果実が、その本来の姿を見せるためには、圧倒的に【時間】が足りなかった。」
父であるアルフォンソを心から尊敬し、父が守ってきたものをより磨き上げ、形を大幅に変えるのではなく昇華させるかのようなフォルトゥナ―トのワインへのフィロソフィ。
ティントーレの可能性と性質を読み解き、ワイン造りには時間が必要と結論付けた彼。
今まで以上に時間を費やしたワイン造り。そして、新しい世代ならではの価値観やアイデアによって生まれた新しいキュヴェ。
改めてもう一度、この小さなワイナリー「モンテ ディ グラツィア」について知っていただきたい。
土地やブドウの個性は言葉で語るものではない、その味わいにこそ、感じるべきもの。その核心がある魅力あふれるワイン、そして造り手です。

(インポーター様資料より)


カテゴリ一覧